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税理士試験の理論暗記のコツ|暗記が苦手でも、読んで、唱えて、書いて覚える

税理士試験

税理士試験の理論暗記は、一度で覚えようとするより、思い出せない語句や書けない箇所を確かめ、そこを覚え直す形で進められます。長い文章が苦手なら、短く区切ったり、読むだけでなく声に出したりする方法もあります。

法人税法と消費税法を含む4科目に合格した私も、暗記は苦手でした。読んで、書いて、ブツブツ唱えて、かなり自分を追い込みながら勉強していました。

ここでは、理論を覚え始める時期から、読む・唱える・書くの使い分け、復習の間隔までを整理します。暗記が得意だった人のやり方ではなく、苦手でも繰り返し取り組むための方法を紹介します。

暗記が苦手でも、一度で覚えようとしなければ理論は覚えられる

暗記が苦手な人は、一度で覚えきろうとせず、忘れたところを確かめて覚え直す前提で、理論の勉強を進めます。その日に言えるようになっても、別の理論を覚えたり、時間が経ったりすると、言葉が出てこなくなることがあります。そこで勉強を終えず、もう一度覚えるところまでを予定に入れておきます。

私も暗記が苦手でした。会計事務所で働きながら税理士試験の勉強を続け、読んで、書いて、ブツブツ唱えて、かなり自分を追い込みました。法人税法と消費税法を含めて4科目に合格しています。暗記が得意だったから覚えられた、という経験ではありません。

一度覚えたはずなのに忘れると、また最初からやり直しに思えるかもしれません。ただ、覚え直すときには、前に読んだ文章や、言えるようになった箇所にも戻れます。たとえば、TACの税法理論暗記セミナーの資料では、次の理論を覚え始めたり、覚える題数が増えたりすると、以前の理論を忘れてしまうことを説明しています。そのうえで、2回目は1回目より早く覚えられるようになるとして、忘れることを恐れずに覚え直すよう勧めています。

目指すのは、理論集を開いたときに見覚えがある状態ではなく、必要な文章を自分で思い出せる状態です。文章を読めば意味がわかるのに、自分で言おうとすると途中で止まる。その違いを確かめると、どこを覚え直す必要があるかがわかります。

読み直すだけでも、文章に触れる回数は増えます。ただ、それだけでは、読めばわかる語句と、自分で思い出せる語句を区別しにくいところがあります。文章を使った記憶の実験では、繰り返し読む学習と、読んだ内容を思い出す練習が比べられました。日数が経ってからのテストでは、思い出す練習をしたほうがよく覚えていました。税理士試験の理論そのものを調べた実験ではありませんが、覚えたかを確かめながら進める根拠になります。

たとえば、昨日は言えた文章の途中で、今日は語句が出てこなかったとします。そのときは、言えなかった語句を理論集で確かめ、そこを含む文を覚え直します。出てこなかった箇所がわかれば、次に勉強する内容も具体的になります。覚えたつもりのまま、新しい理論だけを増やしていくのを防げます。

何回繰り返せば十分かは、回数だけでは判断できません。同じ回数読んでも、言える文章と言えない文章が残るからです。読む回数を達成したかより、前に言えなかったところを、今は思い出せるかを確かめます。

一度言えた理論も、あとで覚え直す対象に残しておきます。忘れた箇所を見つけるたびに理論集へ戻り、もう一度言えるようにする。その繰り返しを、最初から理論の勉強に含めておきます。

講義で扱った理論から覚え始め、意味をつかんでから覚える

理論暗記を始める目安は、講義でその内容を習ったときです。説明を聞いたあとなら、理論集の文章も「あの話のことか」と結びつけやすくなります。

長い文章を覚えるだけでも大変なのに、知らない用語が続くと、何について書かれているのかを調べるところからの出発になります。講義で扱った範囲なら、テキストの説明や具体例が、文章の意味をつかむ手がかりになります。

講座から暗記する範囲が示されている場合は、そこから始める方法があります。理論集の最初から順番に進めるより、講義の復習と暗記を一緒に進められます。習った理論をそのつど覚え始めれば、試験が近づいてから、まだ覚えていない文章にまとめて向き合う負担も減らせます。

計算で習ったことが、理論の文章につながる

計算に関係する理論なら、講義で解いた問題が役に立ちます。

たとえば、ある取引をどのように扱うか、計算問題で学んだとします。そのあとに同じ取引の理論を読むと、「この文章は、あの問題で使った条件を説明しているんだ」と内容がつながります。初めて見る長い文章にも、すでに知っている話が含まれているわけです。

スタディングも、基本的な内容と計算事例を学んだあとに理論を覚える方法を紹介しています。計算事例のイメージと文章が結びつくことで、理論を覚えやすくなるという説明です。

文章の一部分だけ意味がつかめない場合も、解いた問題と見比べると、その条件がどこで使われていたのかがわかることがあります。計算の答えだけでなく、その答えに至るまでに確認した条件が、理論を読む手がかりになります。

暗記用の文章だけでは、わかりにくいこともある

理論集を読んでいて、言葉の意味や制度の理由がわからないこともあります。そんなときは、講義のテキストにある説明や図を頼れます。

たとえばTACでは、内容を図表などで説明する「理論テキスト」と、税法の暗記用教材である「理論マスター」を分けています。覚える文章を読む教材と、その内容を理解するための教材には、それぞれ役割があります。

暗記用の文章だけで理解しようとしていた箇所も、説明用のテキストに戻ると、具体例と一緒に読めることがあります。「誰の、どんな場合の話なのか」が見えてくれば、文章に出てくる条件や用語も、意味のある言葉として捉えやすくなります。

とはいえ、すべての疑問が解けるまで暗記を待つとなると、始める時期が遅くなってしまいます。学習が進み、別の理論や問題に触れたことで、前に習った内容がわかることもあるからです。

意味がつかめた部分は覚え始め、わからない箇所は講師への質問や、次の復習で確かめる。理解と暗記を並行して進める方法です。

「説明を聞けばわかるけれど、文章はまだ出てこない」という段階なら、そこからは暗記の出番です。講義でわかった内容を手がかりに、その範囲の文章を覚え始めるところから取り組めます。

1題を見出しと段落に区切って、短い単位で覚える

長い理論は、小見出しや段落ごとに分けると、覚える範囲を小さくできます。1題を一度に覚えきる代わりに、短い部分を覚え、あとからつなげていく方法です。

区切る手がかりになるのは、理論集にある見出しと、文章の意味のまとまりです。ページの半分まで、といった分け方よりも、ひとつの話が終わるところで区切るほうが、何を覚えているのかをつかみやすくなります。

小見出しが、文章を思い出す手がかりになる

本文に入る前に小見出しを眺めると、1題にどんな話が含まれているかが見えてきます。

たとえば、「対象となる人」「適用される条件」「必要な手続き」という小見出しが並んでいる理論を考えてみます。見出しの並びがわかれば、ひとつめの文章を覚えているときにも、このあとに条件と手続きの話が続くことがわかります。

長い文章を頭から追うだけでは、途中で言葉が出なくなると、その先も思い出せなくなることがあります。小見出しを手がかりにできれば、「条件の次は手続きだった」と、次のまとまりへ戻りやすくなります。

見出しを覚えてから本文へ進む方法は、税理士の合格体験でも紹介されています。ただ、理論集全体の目次を覚え終えるまで本文に入れないとなると、暗記の準備だけで時間がかかります。まずは今覚えようとしている1題の見出しから、という始め方もあります。

長い段落は、条件と結論に分けられる

小見出しひとつ分でも文章が長い場合は、段落ごと、さらに文の意味が区切れるところまで、覚える範囲を小さくできます。

たとえば、ひとつの文に「誰が」「どんな条件に当てはまるときに」「どう扱われるか」が書かれていれば、そのまとまりごとに分ける方法です。途中に補足が入る文章でも、何についての補足なのかが見えると、前後の関係をつかみやすくなります。

TACの理論暗記セミナーでも、前提と結論など、内容の違いで区切る方法や、文節で区切る方法が紹介されています。行数をそろえることよりも、意味が続いているところをひとまとまりにする考え方です。

区切りが細かすぎて、言葉のつながりがわからなくなる場合は、少し長いまとまりに戻すほうが読みやすくなります。短ければ短いほどよいというより、内容を追える長さであることが、区切る目安になります。

別々に覚えた部分を、少しずつつなげる

短く分けた部分は、あとからつなげるところまで含めて1題になります。

たとえば、ひとつの段落を前半と後半に分けたなら、それぞれを覚えたあとに、前半から後半へ続けて思い出す方法があります。次の段落まで覚えたら、その段落も加える。こうして、扱う範囲を少しずつ広げていきます。

つなげたときに途中で止まった場合は、出てこなかった部分を覚え直す場所がわかります。最初から最後までの長い文章に毎回向き合う代わりに、短いまとまりに戻れるのも、区切って覚えるよさです。

読んで、唱えて、言えないところは書いて覚える

読んで覚えたつもりでも、唱えようとすると言葉が出てこない。そんな部分には、書いて覚える方法も使えます。読むだけで進まないところで、別の覚え方を加えるという考え方です。

ただ、理論をすべて書こうとすると、長い文章ほど時間がかかります。読む、唱える、書くを組み合わせるなら、唱えても出てこない部分に書く方法を使う、という分け方があります。

読んだ文章を、自分で唱えてみる

最初は、前の見出しで区切った短い部分を、文章を見ながら読みます。言い慣れない用語や長い言い回しも、文字を目で追いながらなら確かめられます。

そのあとで目を離し、同じ文章を自分で唱えてみると、覚えている部分と、まだ出てこない部分がわかります。大きな声で読む必要はなく、自分に聞こえるくらいの小声でも、文章を口に出す練習になります。

たとえば、文の前半は言えるのに、途中の条件が出てこなかったとします。そこを理論集で確かめ、言える部分から続けて唱える。出てこなかった言葉を、その前後の文章と一緒に覚える方法です。

ここで、理論集を見ながら読むだけに戻ると、どこまで自分で言えるようになったかはわかりにくくなります。確かめたあとにもう一度目を離してみれば、さっき止まったところまで言えるかがわかります。

唱えても覚えにくい部分には、書く方法を加える

何度か唱えても同じところで止まる場合は、その文を書き出す方法もあります。理論集を見ながら、出てこなかった語句を含む短い文を書くと、文字の並びを追い直せます。

語句がひとつ抜けていたのか、似た用語と混ざっていたのか、言葉の順番が曖昧だったのか。紙に書いた文章と理論集を見比べると、唱えていたときに引っかかった部分を確かめやすくなります。

税理士の実践例でも、覚えづらいフレーズを別の紙に書き出したり、慣れてからは、どうしても覚えられない部分だけを書いたりした方法が紹介されています。書く範囲を絞る使い方です。

書いたあとにもう一度唱えてみると、言葉が出てくるようになったかを確かめられます。

書く回数を決めて、その回数を埋めることが目的になると、書き終えても文章を思い出せないことがあります。書く方法を加えたあとも、気になるのは、前に言えなかった部分が自分で出てくるかどうかです。

読むことで文章を確かめ、唱えることで言えない部分を見つけ、そこには書く方法も試せる。すべての理論を毎回書かなくても、覚えにくいところに手をかける組み合わせができます。

覚えた理論は、翌日、数日後、1週間後と間をあけて覚え直す

覚えた理論には、翌日、数日後、1週間後と、もう一度思い出す機会を置く方法があります。一度言えるようになった日を終わりにせず、そのあとも覚え直す予定を残す考え方です。

その日に繰り返して言えるようになっても、数日後まで同じように思い出せるとは限りません。間をあけて確かめると、時間が経っても残っている部分と、出てこなくなった部分がわかります。

記憶の実験でも、思い出す練習を続けて行うより、間をあけて行うほうが、あとまで覚えていられるという結果が出ています。ただし、税理士試験の理論を使った実験ではなく、翌日・数日後・1週間後という日程そのものの効果を証明したものでもありません。

復習の間隔は、思い出せるかで調整できる

税理士試験の合格体験には、一度覚えた理論を翌日、3日後、1週間後に確かめた例があります。まず試す間隔として、こうした例を参考にできます。

たとえば、月曜に言えるようになった理論を、火曜にもう一度思い出してみます。火曜にも言えたなら、次は木曜、そのあとに翌週の月曜、という予定です。前に覚えた理論の復習と、新しく覚える理論を組み合わせられます。

もし火曜にかなり忘れていたら、木曜まで待つより、火曜に覚え直して、水曜にも確かめるという調整ができます。反対に、数日あけても言える理論なら、次の復習まで少し間を広げる余地があります。

同じ日に覚えた理論でも、すぐに言えるものと、途中で止まるものが残ることがあります。日程をそろえることより、その理論をどのくらい思い出せるかを見ながら、次に触れる日を決める方法です。

1題を覚える日数にも、幅がある

新しい理論を初めて覚える時間と、一度覚えた理論を復習する時間は分けて考えられます。翌日に復習するというのは、どんな理論も1日で覚え終えるという意味ではありません。

TACの理論暗記セミナーでは、初めて理論暗記に取り組む人の目標として、1題に1週間から10日、コツがつかめたら5日から1週間という目安を挙げています。予備校が示す学習上の目標で、すべての人に共通する所要日数ではありません。

文章の長さや内容、すでに理解している範囲、勉強に使える時間でも、覚える日数は変わります。ほかの人の日数と比べるだけでは、自分の進み具合をつかみにくいところです。

覚えた日と、次に触れる日を残しておく

復習する理論が増えてきたら、手帳などに理論の題名と日付を残す方法があります。

「月曜に暗記、火曜に確認、途中の条件で止まったので水曜に再確認」といった記録なら、次に開く理論がわかります。日付に加えて、言えなかった箇所を短く残せば、覚え直す場所も見つけやすくなります。

新しい理論を覚える予定の横に、前に覚えた理論の復習日も置く。覚えた理論が増えても、以前の文章に戻る機会を残せます。

まとめ

暗記が苦手な人の理論暗記は、一度で覚えきることよりも、短い文章を覚え、出てこなかったところに戻る繰り返しで進められます。講義で習った内容なら、説明や計算の具体例を手がかりに、文章の意味をつかめます。

  • 長い理論は、小見出しや意味のまとまりで分け、覚えた部分をあとからつなげる。
  • 読んだ文章を唱えてみて、覚えにくい部分には書く方法も使う。
  • 一度覚えた理論にも復習日を置き、思い出せるかに合わせて間隔を調整する。

読む回数や、ほかの人が覚えた日数だけでは、自分の覚え具合はわかりません。前には言えなかった文章が、今はどこまで出てくるか。それを確かめると、次に覚え直す部分が見えてきます。

まず試すなら、直近の講義で扱った理論の、小見出しひとつ分から始められます。文章の意味を確かめたうえで、短い範囲を覚えるところからの出発です。

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