当サイトには広告を含むコンテンツがあります。

3年で科目ゼロ。税理士試験から撤退すべきか

税理士試験

税理士試験を3年続けて科目合格がなくても、その年数だけで続けるか撤退するかは決められません。学習がどこまで進んだかと、これから負担できる時間や費用を分けて考える必要があります。

私はこれまでに4科目に合格していますが、仕事の繁忙期には勉強が追いつかず、各科目とも2年目でようやく戦えるレベルになりました。合格という結果だけでは、そこに至るまでの学習の遅れは見えません。

この記事では、合格に向けた準備の進み具合、仕事や生活への負担、撤退した人の理由とその後を取り上げます。続ける場合に何を変えられるかも含め、継続・休止・撤退を判断する材料を整理します。

3年で科目ゼロでも、年数だけで撤退は決められない

3年間勉強して、まだ1科目も合格していない。撤退を考えるときに確かめたいのは、その3年でどこまで学習が進み、これからも勉強を続けられる見込みがあるかです。年数と合格科目数だけでは、そこまでは分かりません。

3年で科目ゼロという結果は、軽く受け流せるものではありません。毎年の受講料に加え、休日や仕事のあとの時間も費やしてきたはずです。周りの人が合格していけば、自分だけが同じところにいるように感じることもあるでしょう。続ける意味を問い直すのは、十分に理由のあることです。

ただ、同じ3年間でも、実際に取り組めた勉強の量や内容は違います。たとえば、毎年ひととおり学習を終えて試験を受けた人と、仕事が忙しくなり、講義や問題演習が途中のままで受けてきた人。どちらも合格科目がなければ科目ゼロですが、結果に至った事情まで同じではありません。

私も仕事をしながら勉強していたため、確定申告時期などの繁忙期には学習が追いつきませんでした。各科目とも、2年目でようやく戦えるレベルになれた、というのが実際のところです。予備校のカリキュラムに沿って進めていても、仕事との両立では予定どおりにいかない時期がありました。

受験を始めてからの年数だけでは、実際にどこまで学習が進んだかは分かりません。一方で、仕事が忙しかったという理由があれば、何年でも続けてよいという話でもありません。毎年同じところで学習が止まり、今後もその状況を変えられそうにないなら、続け方そのものを考え直す必要があります。

そこで分けて考えたいのが、これまでの学習と、これからの条件です。これまでについては、合格という結果の手前で何が身についたのか。これからについては、その学習を進める時間と費用を確保できるのか。そして、税理士を目指す理由が今も残っているのか。この両方を見て、続けるかどうかを考えます。

合格科目がゼロだからといって、覚えた知識や解けるようになった問題までゼロになるわけではありません。学んだ内容が仕事に役立っている場合もあるでしょう。ただし、それまでの勉強に意味があったことと、さらに受験を続けることは、別の判断です。「ここまでやったのにもったいない」だけでは、次の1年を費やす理由にはなりません。

反対に、学習が進んでいても、仕事や生活への負担が大きく、今の形では続けられない場合があります。そのときは、受験をいったん休むことも含めて考えられます。続けるか、すべてやめるかを、その場で決め切る必要はありません。

3年という区切りは、自分の状況を見直すきっかけになります。そこで出す答えは、年数への評価ではなく、これまでの学習状況と、これから続けられる条件を踏まえた判断です。

続けるか迷ったら、合格に近づいているかを確かめる

合格に近づいているかを確かめるには、不合格の通知だけでなく、答案練習や模試の成績表と、返却された答案を見直します。前年より自力で解ける問題が増えたか、時間内に取れる点が増えたか、受験者の中での位置が変わったか。この変化が、次の受験を考える材料になります。

本試験の点数が前年より上がっていれば、前進したと受け止めたくなります。ただ、年度が違えば出題内容も変わります。点数の上下だけでは、何ができるようになったかまでは分かりません。「今年も不合格だった」だけで判断するのと同じように、「点数が上がったから来年は受かる」と決めるのも早計です。

答案練習、いわゆる答練や模試の答案には、点数だけでは分からない失点の原因が表れます。分からなくて書けなかったのか、解き方は分かっていたのに計算を間違えたのか、時間が足りずに解けなかったのか。同じ失点でも、必要な対策は違います。

特に手がかりになるのが、問題ごとの正答率です。ほかの受験者がよく正解している問題を、自分も取れているかを確かめます。難しい問題を解けるようになったことだけでなく、以前は落としていた基本問題を、初めて見る問題でも正確に解けるようになったか。こうした変化なら、答案で確かめられます。

たとえば、以前は解説を読まないと進めなかった計算を、今は自力で最後まで解ける。理論の内容は覚えていても答案に書けなかったところが、問いに合わせて書けるようになった。どちらも合格前の変化ですが、単に講義を聴き終えたことや、勉強時間が増えたことより、試験で点を取る力に近い目安です。

一度解いた問題は答えを覚えていることもあるため、解き直しで高得点だったことだけでは判断しません。解答を見ずに手順や理由を説明できるか、同じ内容を別の形で問われても解けるかまで確認すると、理解が定着したのかを見分けやすくなります。

答案の中身と合わせて、模試の成績判定や順位も参考にします。ただし、受験者数の違う模試で順位の数字だけを比べたり、難易度の違う問題で得点だけを比べたりすると、実力の変化を見誤ります。同じ予備校の同じ時期の模試など、条件が近いものを並べ、上位何割に入ったか、判定がどう変わったかを見るとよいでしょう。一度の好成績より、複数回の結果で傾向を確かめます。

自分で見直しても判断がつかないときは、受講している講座の講師に、成績表と答案を見せて相談する方法があります。「続ければ受かりますか」と聞くより、「合格を目指すうえで、今の答案に何が足りませんか」と聞くほうが、確かめたいことが伝わります。

成績の伸びが見えなければ、まず、どこで点を落としているかを確認する。伸びが見えれば、それを次の受験を考える根拠にする。合格への近さを、気持ちや勉強時間だけでなく、答案に表れた変化で確かめることが大切です。

これからの勉強時間と費用を、生活の中で負担できるか

次の受験を続けられるかは、必要な勉強時間と費用を見積もり、仕事や生活を維持しながら負担できるかで確かめます。「来年こそ頑張る」という気持ちに加えて、実際に使える時間とお金を把握しておくことが必要です。

時間を考えるときは、これまでの生活を出発点にすると見積もりやすくなります。平日の帰宅後や休日に、実際にはどれくらい勉強できていたのか。通勤や昼休みに使える時間と、机に向かって問題を解ける時間も分けて考えます。講義を聴く時間が取れていても、計算問題を解いたり、答案を書いたりする時間が足りなければ、その分をどこかで確保しなければなりません。

たとえば、普段の週には勉強できても、繁忙期には残業が続くなら、普段と忙しい時期を同じ時間で計算しないほうが現実的です。去年、仕事が忙しくなった時期にどれくらい勉強できたかを振り返れば、今年も毎晩勉強する前提で計画してよいかが見えてきます。睡眠や休息を削らないと成り立たない計画なら、予定している学習量を見直す必要があります。

確保できそうな時間が分かったら、受ける科目の学習量と照らし合わせます。講座が示す標準学習時間は参考になりますが、その数字に何が含まれているかも確認したいところです。たとえば、TACの科目別の目安には講義時間が含まれる一方、個人差のある理論暗記の時間は含まれていません。すでに学習した範囲や、苦手な部分の復習にも、自分に必要な時間を見込んでおきます。

費用は、次の1年に支払うものを合計します。受講料に加え、別料金の教材や模試を使うならその費用、受験手数料、通学や試験会場までの交通費。遠方の会場で宿泊が必要なら、その費用も入ります。講座に教材や模試が含まれている場合は、重ねて計上せず、追加で支払うものを確かめます。

私も、税理士講座の受講料が高く、時間にも制約があったため、市販の教材はほぼ使いませんでした。TAC一本に絞り、提供された教材を使い倒していました。使える教材が多ければ、それだけ学習できるとは限りません。買い足す前に、手元の教材で必要な勉強ができるかを考えることも、費用の見積もりにつながります。

年間の合計だけでなく、いつ支払うかも確認すると、家計への負担が分かります。月々の収支では払えそうでも、受講料の支払時期に大きな出費が重なるかもしれません。家賃や住宅ローン、生活費、予定している支出を支払ったうえで、学習費を用意できるかを見ます。家計を共有している家族がいるなら、その見積もりを一緒に確認しておくとよいでしょう。

時間か費用が足りないと分かっても、それだけですぐ撤退を決める必要はありません。受験科目を絞る、追加教材を減らす、受験をいったん休むなど、負担を変える余地を確かめられます。次の1年に何を変えれば生活と勉強が両立するのか。その見込みも、継続を判断する材料になります。

撤退した人は何を理由に決め、その後どうしたか

受験をやめた人は、不合格だけを理由に撤退を決めたのでしょうか。本人の記録を読むと、仕事での収入や体調の変化も、判断に関わっていたことが分かります。

たとえば、簿記論と財務諸表論に合格したある受験経験者は、税法の暗記に苦労する一方、経理の仕事で収入が上がり、勉強への意欲が下がったと書いています。体調を崩したことも重なり、これ以上、資格取得に時間や労力をかけるかを考えて、撤退を決めました。

受験で身につけた知識は、実務で役立っているそうです。受験をやめる時点で、すでに経理の仕事に就いていたので、「撤退したら転職できた」という話ではありません。今ある仕事と体調を踏まえて、受験を続けるかを判断した例です。

一方、仕事で必要な学習が変わり、受験をやめた例もあります。大学の事務職員として働きながら税理士試験の勉強をしていた人は、情報システム部門への異動でITの学習が必要になり、受験勉強をやめました。その後、再び異動を経験し、働きながら大学院で学び、大学教員になりました。受験をやめたあとにも、進む方向を模索する時期があったと分かります。

これらの例から考えたいのは、自分が資格に何を求めているかです。税理士として仕事をすることが目標なのか、会計の知識を身につけて今の仕事を続けたいのか、収入や働き方を変えたいのか。目指すものによって、資格を取る必要性も、ほかの道を選ぶ意味も変わります。

また、体験記の筆者と自分では、合格科目や職歴、すでにできる仕事が違います。科目合格や簿記1級を持つ人が仕事に知識を活かせた例を、そのまま科目ゼロの人の転職見込みに置き換えることはできません。今の職場で役立つ知識があるのか、別の仕事を考えるなら何が必要なのかは、自分の条件で確かめる必要があります。

後悔についても、書かれた時点の気持ちと、その後ずっと続く気持ちは分けて読みたいところです。今は前向きな言葉で振り返っていても、それだけで「撤退すれば後悔しない」とは言えません。反対に、迷いが残っているからといって、その判断が間違いだったとも決められません。

他の人の体験は、継続か撤退かの答えを代わりに出してくれるものではありません。その人が受験を続けるために負担していたものと、やめたあとに選んだ過ごし方は、自分が何を優先したいのかを考える材料になります。

続けるなら、次の1年で何を変えるか

続けると決めたら、今年の学習でうまくいかなかったことを、次の1年でどう変えるかまで決めておきます。時間が足りなかったのか、復習しても解けるようにならなかったのかで、必要な変更は違います。

まず、学習が止まった時期や、答案で繰り返した失点を振り返り、優先して直したいことを絞ります。「全体的に勉強不足だった」では、何を変えるかがはっきりしません。「講義のあとに問題を解く時間がなく、習った内容を使えなかった」「繁忙期に復習が止まり、春から追いつけなくなった」と具体的にすると、変えるべき部分が見えてきます。

複数科目を勉強していて、どちらも復習が追いつかなかったなら、次の受験では科目を絞ることも考えられます。科目数を減らして空く時間を、残した科目の計算練習や理論の復習に回せるかを確かめます。すでに身についている範囲と、これから補う範囲も違うので、一律に「社会人は1科目」と決める必要はありません。講師に相談できるなら、科目ごとの答案と、週に使える学習時間を示して相談すると、必要な学習量を考えやすくなります。

時間は確保できていたのに点につながらなかった場合は、復習の仕方を見直します。解説を読めば分かる問題でも、解説を閉じて自分で解けるかは別です。間違えた問題は、テキストで該当する処理や考え方を確認し、あとで解答を見ずに解き直す。理論も、読むだけで終えず、問いに対する答えを思い出してから確認する。できなかった箇所ができるようになるまでを、復習の予定に入れます。

予定の組み方も、今年の仕事の状況に合わせて変えたいところです。私も、TACのカリキュラムに沿って進めていましたが、確定申告時期などの繁忙期には学習が追いつきませんでした。仕事では予定外のことが起こるのが当たり前です。私も、この前提で学習スケジュールにある程度ゆとりを持たせることが、挫折を防ぐために大切だと気づきました。

たとえば、毎週の予定を新しい講義と復習で埋め尽くしていたなら、次は遅れた分を進める時間も残します。忙しい時期には、短い基本問題の解き直しなど、確保できる時間で取り組む内容を先に決めておくと、勉強するたびに何をやるか迷わずに済みます。年間の詳しい計画を立てる前に、今年止まったところを来年はどう越えるかを考えます。

変更した方法が自分に合うかは、次の本試験まで待たずに確かめます。たとえば、1カ月後に、予定した復習を終えられたか、同じ基本問題でつまずかなくなったかを振り返ります。続けられないなら、予定した量を減らすのか、取り組む時間帯を変えるのか、そこで調整します。

次の1年を続ける根拠は、「今度こそ」という気持ちだけでなく、今年とは違う進め方を用意できることです。何を変え、いつ確かめるかが具体的になれば、次の受験に向けた見通しも立てやすくなります。

継続・休止・撤退を、自分の条件で決める

継続・休止・撤退を選ぶときは、合格に向けて学習を進められる見込みと、生活への負担、税理士を目指す理由を照らし合わせます。「続けたい」という気持ちも、「もう疲れた」という気持ちも大切ですが、今の条件でどこまでできるかを確かめると、選択の理由がはっきりします。

継続を考えられるのは、資格を取りたい理由が今もあり、必要な時間と費用を用意でき、今年のつまずきを改善する方法も考えられる場合です。まだ合格科目がなくても、解ける問題が増えている、復習の遅れを減らせそうだ、といった見込みがあるなら、次の受験に取り組む理由になります。ただし、合格できると決まったわけではないので、途中で学習状況を確かめることも含めて決めます。

一方、目指す理由は変わっていなくても、今は仕事や生活の事情で学習を続けにくいことがあります。その場合は、休止という選択肢があります。たとえば、担当業務の変更で残業が増え、当面は講義にも復習にも時間を取れないなら、今年の受験は見送り、仕事が落ち着いてから改めて考える方法です。

休止するときは、いつ、何を見て再開を考えるかを決めておくと、判断を先送りしたままにならずに済みます。「半年後に仕事の状況を確認する」「大きな支出が終わってから、学習費を用意できるか見直す」など、自分の事情に合わせて考えます。その時点で条件が整わなければ、休止を続けるか、撤退するかを改めて判断してよいでしょう。再開することを、休む段階で約束する必要はありません。

撤退を考えるのは、資格を取る目的が変わった場合や、今後も受験を続ける負担を引き受ける見込みが立たない場合です。税理士として働くことより、今の仕事を深めたいと思うようになった。受験に使う時間を、別の仕事や生活に回したい。そうした変化も、やめる理由として考えられます。

ここで気をつけたいのは、これまでの費用や年数だけで、次の受験を決めないことです。過去の勉強に意味があったかどうかと、今後も資格取得を目指すかどうかは分けて考えます。仕事に役立つ知識が残っていても、受験を続ける義務が生まれるわけではありません。

家計や生活時間を共有する家族がいる場合は、決める前に負担の見積もりを一緒に確認しておきたいところです。「もう1年頑張る」とだけ伝えるより、使う時間と費用、今年から変えることを示すと、話し合う内容が具体的になります。休止や撤退についても、何が難しく、これから何を優先したいのかを伝えます。

選んだあとに迷いが残ることもあるでしょう。迷いがなくなるまで決められないと考えるより、今分かっている条件で理由を持って選び、事情が変わったときに見直せるようにしておくとよいと思います。

資格を目指す理由と、続けるために必要な負担が、今の仕事や生活に合っているか。継続・休止・撤退を分けるのは、3年で科目ゼロという結果だけでなく、これからの時間をどう使いたいかという、自分の希望と条件です。

まとめ

3年で科目ゼロでも、それだけで税理士試験から撤退すべきだとは決められません。これまでの学習で何が身につき、次の受験に向けて何を変えられるか、仕事や生活と両立できるかを見て判断します。

確かめたいのは、次の3点です。

  • 答案や模試の結果に、自力で解ける問題が増えるなどの変化があるか
  • 繁忙期も含めて、必要な勉強時間と費用を負担できるか
  • 税理士を目指す理由が今もあり、受験を続けたいと思えるか

続けるなら、今年つまずいた原因に合わせて学習方法や予定を変え、途中で進み具合を確かめます。目指す理由はあっても今の条件では難しいなら休止、目的が変わったり、今後も負担を引き受ける見込みが立たなかったりするなら撤退も考えられます。

3年という区切りは、受験と今の生活を見直す機会です。これまで費やした年数やお金だけでなく、資格を目指す理由と、これから負担できる時間・費用が、継続・休止・撤退を判断する材料になります。

タイトルとURLをコピーしました